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『長い前置き』

 

 あっという間に溶けたねぇ。毎年楽しみにしている氷割りもやりがいのないコト…。1メートル四方ぐらいの氷の板をアスファルトから『バリッ』とハガせると妙に嬉しかったりするんだけど、今年はオートバイのタイヤの幅ぐらいをとりあえず一本分剥がしといたら、その日の夕方には「やらなくても変わらなかったかな?」ってくらい溶けてて、剥がした道は川になってる。お日様ってホントに凄い。その「川」をつたってオートバイを出すと、残雪の上を渡ってくる風は陽差しの暖かさに反して、ギョッとするくらいに冷たいのだが、いつの間にかその風に土の匂いが混じっている。
 森を見るとお日様であたたまった樹々の根元だけが丸く雪が溶けており、除雪などで固まっていない雪は幻のように消えていて、緑の雑草に混じってつくしが伸びてたりする。きっとこの北単が出る頃にはすでに過去の話になっているだろう。お天当様に感謝。
 さて、春分の日も過ぎ、そのつくしのようにオートバイで走る姿も見えてきた。『ちゃんと整備したか? 今年も無事に走ってくれよー。世の中なんだか景気がよくないけど、オートバイ乗りは景気良く、カッコ良く走り回ってくれよー! そのカッコ良い姿を見て新しいオートバイ乗りと景気がついて来るからなー!!』などと勝手に思っている。先ずはじわじわと走って下さい。
 冬の間に固まったゴムやプラスチック(タイヤとか配線もね)は熱だけでなく動かしてもまれることで柔軟性がもどるので、人間と同じでまだ身体が暖まらないうちから激しく動かすと思わぬトラブルが起きるかもしれないからね。タイヤの空気圧も意外と減ってるハズだからちゃんと見て下さい。特に空気量が多い太いタイヤで、さらにハイグリップのしなやかな造りのタイヤやチューブタイプのタイヤは走る度に計るぐらいの気持ちでいて下さい。太いハイグリップタイヤなんて買えばすごく高いけど、空気圧や温度をちゃんと管理してなきゃ宝の持ち腐れ的に性能を発揮できないモノだと思って下さい。特に今の時期はタイヤの温度・空気圧の変化量が大きいですから。あとは…ま、走り出しのメンテに関してはいろんなところで言われてるだろうからここらにしておきます。メンテの話を書いたら終わんないし。聞きたいヒトは愛機と一緒に『オートバイ屋さん』に行って下さい。「今シーズンもよろしくっ!」てね。
 と言うことで(?)走り始めるとやっぱいいよねー、オートバイ。例えパワーをかけてなくても、軽やかに滑るように進む乗り物は気持ちも軽やかになる。風の感触や匂いも「そうそう、地球はこうだったな」なんてよどんだ暖かい冬の室内の空気に慣れた自分を思い知る。身体が覚醒すると精神も目醒めるよね。あれしたいこれしたい、何処に行きたい、あれ欲しいってね。モータースポーツも開幕して何だかワクワクすることが沢山ある。ウインタースポーツももちろん楽しいけれど春先の気持ちのワクワク感は長く雪に閉ざされる北単ならではの嬉しさがあるよね。お山の方はまだもうちょっと先だし、遠出したら帰ってこれなくなる可能性があるけれど、それは解っていてもちょろちょろと走りたくなる気持ちは凄く解ります。どうか気をつけて。
 自分もこの前、天気の良い日にワクワクしながら走っていたら軽く流したつもりでもスピードメーターがあらぬ所を指してたり、交通の流れもオートバイの存在を忘れてるから冷静にね。クールに。
 ずいぶん長い前置きになったけど本題は…
「春だ! 走ろう!」ってことで。
 北海道の今時期は、まるで『長い前置き』のようだけど前置きもまた楽し、だね。
 ぢゃ、また!


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