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『雪のオートバイ乗り』

 

 目が覚めると30cmばかり雪が積もっていた。ちょうど先日整備を終わらせておいた除雪機はセル一発、今シーズンも元気に活躍を始めた。いつもより根雪が遅く、前日までオートバイでタバコ買いに行っていたなんて札幌も変わったよなーと思った。除雪していても雪が重い。こりゃ空気圧落とせば、ちょっと走れるな…なんて思ったりして。
 昔、まだスタッドレスタイヤがまったく普及していない頃は札幌もあまり除雪状態も良くなくて、結構ザクザクな雪が路面にあって車もガタガタいわせて走っていた。でも逆にツルツルにはなんなかったものだから、ちょっと走れるかなーなんて思って。確か7万円ぐらいで買ったDT250に火を入れてみる。空冷単気筒の2ストロークは除雪機のように簡単にエンジンかかって。タイヤの空気圧を落とすことも知らず普通のトレールタイヤで「良いんだよな…? 別に保険も残ってるワケだし…」とほくそ笑んで走り出した。ちょっと路地裏の交差点ならば派手なカウンターあてたりして。ところが大きい(国道だ!)交差点は雪も固くて、そろばんになってて「おーっとっと」なんて、こらえたら360度以上道のまん中でクルクル回って、あげくにコケて。なんて迷惑な奴だったんだろう? 俺って…。 あえて除雪の悪い道を選んでオートバイ屋まで行ったら笑いながら大バカヤロー扱いされて、帰りはさらに雪降ってて、新雪にもがいてたらおまわりさんに怒られわ、アイシング起きてスロットル戻らなくなるわ、ブレーキは凍るわ、まーちょっと得意になってたわな。
 その後、50ccにボロボロのスパイクタイヤで一冬越えたり、ブラックアイスバーンが初めて登場した時に、ドルフィン(GPZ1100ね)で羊ヶ丘から円山まで帰ったり(モチロン、コケた…)、あっそーいえば、北海道に来た最初の年にXJ400で雪の降る中、函館までツーリングに出て、深夜国縫あたりで行き倒れになったこともあったよなー。死ぬと思った。閉店してた小さなドライブインにころがり込んで泊めてもらって。朝起きて外を見た時は倒れそうになった。一晩で真冬になってて。ナメてたよなー北海道の冬を。でもバスで函館に3日ほどいて、帰りはまたバイク取りに行って札幌まで走って帰って来たなー。
 それから色々知って、仕方なく雪の中走る時は空気圧をみみが落ちないギリギリまで落とせば意外と走れるとか、アイシングはチョーク引っぱってかぶらせてエンジン止める(雪はなかったけど街中でRD400全開アイシングで赤の信号交差点に突っ込みそうになったこともある)とか…まァ非常用の知識だね。冬の公道はオートバイに乗るのはプロにまかせましょう。自分は楽しくても、まわりは迷惑なだけだから。
 もちろん、アイスバーンでウィリーできるスパイクタイヤも頼まれて造ったし、「これなら全然、ツーリングもできる」と思ったけど本来禁止なわけでしょ? それにスパイクタイヤに万が一巻き込まれたことを考えるとね。クローズドコースは楽しいし、やってみる価値はもちろんあるし、オススメするけどね。除雪状態も今はすごく良いからスパイクタイヤのピンの打ち方によってはかなり危険になるしね。立場上、「ヤメとけ…」と言っときます。冬はオートバイの整備とモディファイで頭でかくしておきましょう。
 それより、そーいう理由で正しくは『冬はオートバイ乗れない』のだからオートバイの車検と保険はホント考えて欲しいよね。半額にして下さい。北海道のオートバイ人口増えて、経済活性化の一助になると思うよ。
と言うわけで、あんまりいつまでも「今年はいける!」とか言って、ひっくり返ったり雪にうめちまう前に、雪が解けたら2倍楽しく走る為に今、出来ることを考える冬にしようね。
 最後の最後に転んで台無しって、ま、よくある話だから…(経験者談)
 それじゃ、また!


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