いつものようにすごい勢いで秋がやって来た。不安定な天気が続いていたからどうかな…と思っていたが、とても紅黄葉(?)がキレイだ。北海道の紅葉の美しさは、黄色からオレンジがメインで、本州のまさしく紅の濃淡とは趣が異なり、気持ちも明るくなるような秋を彩る。黄色からオレンジの森に、アクセント的に紅が入り、針葉樹の緑にトリミングされる様は、日本的ワビサビより華やかなパーティをイメージする。長い冬、オートバイに乗れない北単には、シーズンラストのプレゼントである。紙吹雪のごとく落葉をまき上げて走るワインディングはまるで「ウイニングラン」のようだ。皆、不事に走りきれただろうか?
それでもどこか物悲しい秋である。ノリックこと阿部典史さんが逝った。ノリックと言えば、例えオートバイレースファンならずとも一度は聞いたことがあるだろう偉大なレーサーである。その彼が、スクーターとは言え二輪車で、禁止無視のUターンをするトラックに公道で当たったのである。不運もあったに違いないと思う。予想できない事態に対して最高のテクニックと判断で回避したのだと思う。実際、直後には話もしていたと聞く。あたり所が悪かったのか、残念である。特にレースファンではない自分ではあるが、いちオートバイ好きとして氏の活躍には胸をトキメカせてもらった。32才、そして現役レーサー。今後の活躍をも期待させるキャラクターの急逝はオートバイ業界全体にとっても残念な損失だろう。心よりご冥福をお祈りします。
その上で思うことがある。公道とは「そういうことがある場所」だということ。おそらく、ノリックよりも上手なライダーはそういないだろうし、レーサーほど公道の怖さを知る人種もないと思う。レベルが違う彼にとっては充分な安全運転だったに違いない。それでもそういうことがあるのだ。「相手が悪い」とか「レーサーでも回避できない」ということでは決してない。だからと言って「しょうがない」ではなく、「それでも自分はそうならない」
と思い続けて欲しいし、その為の努力を続けて欲しいと思う。
ノリックよりもヘタなのだから、せめてイメージとかインスピレーションを研ぎすましたり、スピードを落とす。例え他車や他人が悪かったとしても、それすらも自ら認めて回避してやる。法定速度と自らの安全速度が異なる、ほぼ全てのオートバイ乗りは、もともと「相手が悪い」なんて考え自体、矛盾しているのです。特に自分以外のヒトと一緒に走っている時とか、「自分は乗れている!」と強く感じる時には気を付けて下さい。それでもノリックよりは下手なのだと。
逝ってしまった人が残してくれた大事なことだと思う。覚悟はする。でも、その上でオートバイに乗り続けている。公道ではヒリヒリするような危険と背中あわせの快感よりも、不安要素を自らの知恵と技術で極力排除しながら、心おきない楽しさ、ヨロコビを求めて下さい。
いつまでも舞う落葉のウイニングランをいつもどうり走れますように…。
では、また!