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『楽しい… 』

 

 風は秋。もうすぐに山の上の方から紅葉の波が下りてくるだろう。暑い夏だったから、きっと秋も盛大になると思う。
 今年は昨年とはうって変わって、楽しい顔をたくさん見られた。人生には悲しいこともあれば、いいこともある。そんなアタリ前の中で、笑顔でいられることの幸せが身に浸みるのも、秋のなせる技か…。悲しいことが教えてくれるのは、そんな楽しいことなのかもしれないな…なんて思う。
 けど、そこはオートバイ乗り。あまりその奥は見えないし、どちらかと言えば、「オマエには悩みがないのか?」的な明るさには嬉しくなる。いいね。そうこなくちゃ。
 20数年前、まだ自分がただのオートバイ乗りだった頃に初めて逢ったオートバイの先輩が、当時のままのオートバイでやって来た。「また走るから、ひと通りヤリますか」と手をかける。翌日には閉店間際に走ってきて、「いやー楽しいわ!」と言っていたその笑顔は、初めて逢った10代のそれそのものだった。手強くなりそうだ。 …楽しい。
 ついこの間、ガレージの中の20年乗り続けた愛機の横に、最新型のレーサーレプリカを並べることになって「いや−今ドキのはスゴいわ!」と言ってた男が、ほんのついこの間、またまた20年程前の陽影にあったオフロードバイクをどっからか持ってきて、「治して山に行く」などと言う。シェイクダウンの釣りツーで自分のオートバイのバックミラーに写る彼の顔は、バルブシールド越しにも解ってしまう笑顔だった。一度暖まった後になかなか再始動しない彼の新しい愛棒のキックを必至で踏む姿は、多分、自分が知らない十代の少年の彼そのものだろう。 …楽しい。
 先日、そんな少年達とドルフィンでキャンプに行った。夜中と言っていい時間にケータイが鳴り(その時初めて、そーいえば本来営業日だったことを思い出した。スミマセン!)、キャンプに来てることを伝えると「冷てーなー! 俺も行きてー」だと。確か、彼も営業日でしょーにと思っていたら、2時間後には、200km以上離れたそのキャンプ場の暗闇の山間に4スト4気筒のマルチサウンドが響いた。ただし、驚いたのはオートバイに乗らない料理長のみ。他は皆、一様に「やっぱりな…」という顔をしていた。 …楽しい。
 その200km離れれたキャンプ場に600km遠回りしてやってきて、晩メシだけ喰べて実家に帰り、翌日、雨の中またやって来て、一ヶ月先のツーリングの「カッパのテスト」とか言っている用意周到男もいた。彼には、さらに一ヶ月前から、そのツーリングの為のキャリアの製作を依頼されている。キャリアのテストもしてよ。 …楽しい。
※そして明日から、すみませんが、しばらくドルフィンといなくなります。早くなった北単の締切に追われつつ、帰りは奥さんとタンデムの為、キャリアを改造してました。            
                           …楽しみ。
 皆もオラオラで秋を楽しんで下さい。
ではまた! See you!


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